林道から森へ続く道に入る。
人の世界から柞(ははそ)に還る時は
母の体の中に帰る時。
◆分け入る
もう20年近くなるヌル谷通いは
いつ来ても何か懐かしく
この上のない安心感を覚えます。
◆ヌル谷
森の春は地面から始まる。
まだ冬の眠りにある高木の元で
下草達が芽生え始めていました。
<ネコノメソウ>
<シコクブシ>
森の小さいもの達が
十分お天道様の力を蓄える時を
高木達は優しく見守る。
◆まほろば
「出ちゅう!出ちゅう!」
tochikoが無邪気な声を上げる。
サワグルミ達の根が守る大地に
今年もバイケイソウが芽吹いていました。
土壌が形成する前の水はけが良い
他の植物には厳しい条件を好む草達の
四国では他で見ること出来ない
大きな群生がここにあります。
◆春光る
お昼を森と共に頂き
年度末の疲れた心を癒して
再び人の世界に帰る道。
今年は1週間ぐらい早いでしょうか。
マンサクの花たちが見送ってくれました。
春に他に先駆けて「まず咲く花」
沢山咲く花に「豊年満作」の願いを込め
自然と共に生きてきた
日本人の心も光って見えます。
まんさくの黄のなみなみと暮れにけり 古館曹人