猿板

遊山黒子衆SARUの記録

和宏花巡礼2010「福寿草」 陰陽を辿ること

人の森

「こんな生き物の住めん所は
  猟師は絶対は入らんき・・・。」
人が残してしまった緑の砂漠を登りながら
山猟師Kさんはそう語ってくれました。
◆声なき悲鳴が聞こえる
 里の畑には網を張り巡らしている。
住み処を追われ必死で生き残るために
里に下りている生き物たちの事を悲しく観ている
Kさんの言葉が私の心に響きました。

◆猟師であること
 今では廃れてしまった道でも
わずかに生き延びる生き物の痕跡や
炭焼き跡、三椏など人の痕跡を見分け
確かな道を見極める猟師の目。
      
その子供の頃から培った山の経験で
私達を確実に頂に導いてくれました。

◆お天道様の化身のこと
 薄暗い植林の急登を抜け
お天道様が降り注ぐ自然林に出ました。

 「おるおる、綺麗に咲いちょらぁ。」

群生地に導いてくれたKさんのお陰で
今年も春の精霊達に会う事が出来ました。

お天道様に向かって花をいっぱい広げ
春を告げる太陽色のパラボラアンテナ。
そんな精霊は晴れた日にだけ笑ってくれます。

                       千金の日をさづかりて福寿草  木内怜子