猿板

遊山黒子衆SARUの記録

1月の三嶺遊山を振り返って

凍てつく

 年末年始にかけて日本列島を横断した
二つ玉低気圧は荒天と大量の降雪をもたらせ
痛ましい遭難事故も発生してしまいました。
◆山は生きている
 そんな年末に四国に降った雪を踏んだ
1月2〜3日単独のカヤハゲビバーグも
実は三嶺に立つつもりが思わぬ積雪量に
気が萎えてしまった結果でした。

平均膝(約50cm)吹き溜まりでは腰を越え
荷を背負った単独ラッセルに体力を奪われました。

 しかし数週間後は残雪の風景。
そして稜線にあがってから小規模ながら
デブリ(雪崩跡)をいくつか確認しました。

山は常に変化し雪は動くもの。
そのリアルな三嶺の変化の報告は
同じ四国の趣深山さんのブログをご参照下さい。
                  趣深山ブログ 

◆四国の冬
 「南国四国に雪が降る?」
それ自体知らない人が多いと聞きますが
四国にも北アルプスと同じ雪が降ります。

1,800m前後を移動する雪雲が
標高の低い中国山地を通過し
東西に尾根を張る四国の高山が受け止めるためで
積雪が一晩に5mを越えた事例もあります。

◆忘れてはいけないこと
 私も四国の山で大切な友人を亡くしました。
        2007-02-14「再会の遊山 結」
慣れてしまうことがもっとも危険な道。
尊い命の代償に残してくれた事を忘れてはいけない。

今年の記録的な大雪が春に向かい動く時期に入ります。
雪は水。量が多ければ大きなエネルギーを持ちます。
 「斜面と雪と温度があれば雪崩は必ず起こる。」
冬山に入るものは常に心に置いてく事だと考えます。

                        命ありて見る初雪のあたらしや  樋笠文