猿板

遊山黒子衆SARUの記録

かわずの四方山話  出会い・・・腐れ縁、余生を共に

kurokoshusaru2009-11-07

出会いといえば男と女・・・
嫁さんとのなりそめは・・・じゃなくて、
コールマンの3連バーナー。

なかなかの年期モノです。

実は古き友人からの贈り物です。

このバーナーは、石鎚山系・笹ヶ峰山中の
山小屋・丸山荘のまかないを
10年にわたり支えてきた、まっこと働き者の道具です。

かつて、丸山荘の先代・伊藤ご夫妻には大変お世話になりました。
まだ、立ち上げた店もふらふら状態(今もあんまり変わらんけど・・・)、
長女が生まれたにもかかわらず、親父はのんきに無職・・・。登山ガイドで何とか生計を・・・。
そんな頃、登山ツアーで何度も笹ヶ峰を訪れていました。

ときには、「遭難体験ツアー」と称して、雪が残る3月初旬の丸山荘周辺で着の身着のままのビバーク
ギブアップしたものから丸山荘へ緊急避難。


「みんな寒かろう・・・ストーブでも持って行ってやるかね」

「いやぁ〜、それではツアーの趣旨が・・・」

一晩中、起きて心配してくれていたお母さんの顔が思い浮かびます。


そんな丸山荘で毎週末、まかないをするいかつい一人の男。
容姿の割には繊細な料理を作ってくれる妙な男。
人間嫌いかな?・・・ドロップアウト?・・・と思わせる男。

ある日、店番をしていると・・・

「丸山荘でこちらの店を紹介してもらったんです。張ってあったチラシで場所を知って・・・」

「えっ、丸山荘にチラシなんて置いてないし・・・」

後日、丸山荘を訪れると玄関先にうちの店のチラシが・・・誰?
あの男でした。それからのつきあいです。

“土佐の河童”と呼ばれているあの男は10年経つ今でも店主以上にこの店を宣伝してくれています。

たぶん、これからも変わらずつきあい続けていくでしょう。
お互い40歳後半の初老。長い余生をともに・・・。

そんななりそめのこのバーナーはまだまだ現役。
これからは山を下りて店の前庭で様々な出会いを演出してくれることでしょう。