猿板

遊山黒子衆SARUの記録

梅雨明けのヌル谷 蛍火のこと

日暮れる

 日が暮れてしばらく待っても
私達が期待していた森の光に
会うことは出来ませんでした。
◆森の蛍のこと
 森に住む蛍“ヒメボタル”
雌は羽が退化していて飛ぶことが出来ず
草の茎や枝に捕まり発光し雄を待ちます。
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◆ここでしか生きられないこと
 幼虫期を土中で過ごし
陸に棲む特定の巻貝を食します。
またメスが飛ばない為
生息域が限定されます。

米粒より小さい身体の発光は
他の光があると見えづらく
この森でも目が慣れて
それに気づくほどの弱い光です。

◆ここでしか会えないこと
 そんな弱い光のヒメボタルは
お互いが見える森でしか生きられない。
 また成虫になれば食を断ち
子孫を残すため餓死するまで飛ぶ。
 <2004年撮影>
 その小さな命がけのフライトは
ここでしか見ることが出来ず
短い間の夜でないと出会えない為
知る人は殆どいないと思います。

◆変わってしまったこと
 この山域は近年の鹿などの増加により
蛍の住処となる下草や笹が姿を消し
大きく環境が変わってしまいました。

 なぜ鹿達はこの狭い山域で
これほど増えてしまったのか?

           じゃんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子