猿板

遊山黒子衆SARUの記録

登らないと決めたこと

レンズ雲

 晴れの予報だったこの週末
三嶺を目指しR195を走る我々の前に
「レンズ雲」が現れました。
◆雨来て
 香美市物部町から西熊渓谷へ
深い自然林に分けいるごとに
雲も厚く、風も強くなり
やがてフロントガラスに雨粒が落ちてきました。
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◆淡き光立つ
 林道沿いの森は目覚めはじめ
山腹の山桜達は見頃を迎え
木々の若葉が淡い風景を見せてくれましたが
山間部はレンズ雲の予報が正確だったようですね。

 見上げる三嶺付近の稜線は
足早に流れる厚い雲に覆われ
春の嵐の中にあるようです。
 「帰ろうか」(笑)

               ひかり降るごとく雨来て山桜  茨木 和生
◆花の向こうに 一期一会
 帰る事を決めた登山口から上は
まだ冬枯れた風景ですが
ここから下ったところに居るミツマタ達は
今年も薄暗い人工林に春を灯していました。

 かつて人が植えたものが和紙業は廃れ
今はその存在も忘れ去られているようですが
かつての賑わいを小さい花達は伝えてくれます。

 だれ一人観ていない私達だけのお花見。
静かに春を告げる沢山の花の向こうに
かつての人々と山の繋がりがあり
その歓声と共に花が笑った様に見えました。
 懐かしき声がする。


レンズ雲
 高積雲の一種。
 主に山地の近くなどで、風の影響によって
 山頂付近を湿った空気が昇る際に冷やされてできる。
 大気力学では山岳波によって生じると説明され
 風が強く吹く前兆、あるいは天候が悪化する前兆だとされる。
 積雲の亜種とされるが、積雲ではなく、
 積雲のような構造をした雲である。