鹿たちはまあるくなって寝る。
そこだけ雪がなくなって
鹿のまあるい穴がのこる。
◆初めての雪
「初めての雪 闇に降り 闇にやむ」 野沢節子
テントにあたる雪の音が聞こえる。
年の瀬に一人テントを担いでいつもの山に来ています。
年末の三嶺頂上は毎年賑やかですが
今日の私は「バーナー」だけが話相手です。
そして日が暮れてきました。
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◆鹿の寝床
今日の寝床は山腹にある「鹿のコル」
雪の時期にtochikoと雪面に残った
鹿の足跡を追って見つけた「鹿の寝床」です。
ここは鹿たちが眠るために選んだ場で
日当たりが良く風も避けられる場所にあり
鹿が見つけた絶好のビバーグポイントです。
彼らは自然に逆らわず巧みに生きています。
◆嵐の中の静寂
この年末の日本列島は
久しぶりの大型二つ玉低気圧が訪れ
各地で強い風雪を観測
四国の平野部でも積雪が見られ
この山域も強い風雪が吹いています。
しかしこの寝床は穏やかで
稜線にたたきつける風の音は遠く
テントに寒雪があたる音だけが響いていました。
