猿板

遊山黒子衆SARUの記録

土佐の山間で思ったこと

暖かい日

「去年より また寂しいぞ 秋の暮れ」 蕪村
 暖かい11月の山から帰ってきました。
昼間の気温は20度近くなり
半ズボンでも大丈夫なくらい暖かかった・・・。
    (私だけかな)
 今回は隠れ家「ヌル谷のナロ」で
天狗と八田さんと秋の宴会を楽しんできましたが
 最近、土佐に残されたこの自然の聖域に
この様な風景が目につき始めています。
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 昨今全国的に聞かれる鹿の増加。
現在四国は4万頭まで増えているといわれ
数年前からこの物部の森でも
樹木や笹への食痕が目につき始めました。

 そして来週末に、この森で
森林管理センターと県と地元の自然保護NPOによる
「シカ食害防止ネットの取り付け作業」が
ボランティアを募って行われると聞きました。

 私はその「食害」という言葉に違和感を覚えます。
鹿も堅い樹皮を好んで食べているわけでなく
自分たちの食べ物が少なくなった理由も解らないでいるはず。
逆にこの鹿達の生態に「害」したものは何なのか?

 私はこの広大な森の登山道付近だけに張るネットに
どのくらいの効果があるのか解りませんが
 目の前のネットを巻かれたこの楓が
春には蝉が羽化し、他の生き物を養う
大切な木である事は知っています。
 
 私は「人」の一方的な感傷や価値観を持ち込むことなく
「人の英知」が本当の「自然の調和」の為に働くよう
一つの「意見」だけで走り出さぬよう
そして人々の「善意」が笑顔に導かれるよう
心から願ってやみません。