猿板

遊山黒子衆SARUの記録

神と木霊と踊る夜のこと 後編

普賢さま

◆和になって踊ること
 決して広くはない境内に竹を立て
その周りを回りながら踊ります。
 かつては中心でその竹を握った
歌い手に合わせて踊っていましたが
今では歌い手もお囃子もなく
ラジカセから流れる歌謡曲
変わってしまいましたが
その踊りは昔から変わらない
太刀踊りである「韮生踊り」です。
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◆おもてなしのこと
「踊る前に腹を落ち着けないかんろう。」
「いっぱい食べて呑んでよ。」
地ものの山菜料理で「お接待」が始まります。


「山じゃき何ちゃあ無いき」

 いえいえ、とんでもありません。
この心のこもったお料理は十分すぎますよ。

◆和尚も踊ること
 先代の和尚は三年前に亡くなりました。
今の尼さま和尚はとても明るいお方です。
「私は踊りは苦手ですから」
 「和尚、良寛さんも踊りが好きやったって言うでぇ」
檀家さんに背中を押されて・・・(笑)

「普賢さまは踊りが大好きな仏様じゃき、
みんなぁが賑やかにしてくれるき喜んじょらぁよ」

◆木霊と共に生きること
 幽玄なる森に抱かれ共に暮らしてきた人たち
厳しい環境だから力合わせ生きてきた。
モノが豊かでないから分かち合って生きてきた。
この方々こそ森を成す「木霊」ではないかと思います。

 そして今年も神とその木霊達と共に
夜半過ぎまで踊り続けました。

 私はこの心の居場所が継がれる事を願いながら
これからも通い続けるつもりです。
今年も迎えて下さりありがとうございました。