猿板

遊山黒子衆SARUの記録

ヌル谷春の野宿 森を楽しむ

ミツバツツジ

◆林道で
 2週前に訪れた時より、
春は確実に進んでいました。
前回蕾であったミツバツツジも、
気の早いものは咲き始めていましたが、
その盛りはもう少し先のようです。
 虫たちも冬眠から目覚めたのか、
それを求める山の鳥も増えたように感じます。

 又、芽を開き始めた木々も増え、
赤い越冬芽を割ってモミジが見せた
柔らかい色の若葉は特に印象的でした。

◆足下で
 日当たりの良い林道沿いは、
地面まで日光が届くせいか、
森と比べ春は一足早く訪れ、

 森の生態系から(人為的に?)
少し外れた環境にあるため、
森の植生とは少し違う春を見せてくれます。

 林道沿いでこの時期に目につくのは、
中枢神経に毒する「ハシリドコロ」です。
決して食べてはいけない草ですが、
葉の下には隠すように可愛い花をつけています。

◆森で
 森に入れば植生はグッと渋くなります(笑)
例えば強い毒を持つものも現れますが、
その姿は美しく、
早春の代表格「トリカブト」も
可愛い若葉を春一番に芽吹かせます。
 ちなみに花は遅く晩秋に咲きます。

 こちらの奇妙な形の植物は、
其の姿から「まむし草」の別名を持つ
「ミツバテンナンショウ」です。

 そしてヌル谷の春の主役「バイケイソウ」です。
これも人が食せば毒なのですが、
初夏には白い大胆な集合花を咲かせ、
あっという間に虫に食い尽くされ、
夏には跡形もなく姿を消します。

 町の花屋さんほど華やかではありませんが、
山の植物たちなりの美しさがあり、
花瓶の花と違い、
そこに根を張る物語を持つ植物たちが、
それぞれの春の喜びを歌っているようです。

blog Rankingへ 森が春を歌う