猿板

遊山黒子衆SARUの記録

ヌル谷の春始動 下ノ巻

地下足袋

◆獣の足
 もう10年以上地下足袋を愛用しています。
先が割れているのが地面を掴むため
山菜採りなど山の斜面で都合が良い。
 イノシシやカモシカなど
山の生き物も足の蹄が割れています。
 ちなみに蹄の割れていない馬は、
本来草原の生き物で山道は苦手なようです。
(馬を山間で使うには「馬道」を作ります)

 宮崎駿さんが「もののけ姫」で、
タタラ衆の山間部の物資輸送に、
蹄の割れた牛を使ったり、
山を駆けるアシタカをヤックル(鹿の類)に乗せたのは、
流石だと思います。

  ですよね、さるやさん
◆眠る木霊達
 標高1,000mの登り口から林道が続き、
林道から見る西熊の森は、
まだ冬の風景の様でしたが、
木々の枝先に着く越冬芽は、
心なしか赤く膨らんでいるように見えました。

 日当たりの良い林道沿いは、
小さいフキノトウが少々出ているだけで、
山菜には少し早かったようです。

 しかし中低木には
若葉を出し始めているものや、
可愛い花を咲かせているものがありましたが、
これは後日のtochikoに任せましょう。

◆森の目覚め
 林道から沢を渡り、
ヌル谷のナロ(さおりヶ原)へ入っていきます。

 ヌル谷の木々はまだ冬眠中でしたが、
地面からはバイケイソウ
トリカブトの若葉が春を告げています。

どちらも食せば毒ですが、
若葉は柔らかく優しい春の色ですね。

◆森から寛ぎ
 森のマヨイガ
バナーに火をおこし飯を炊く。
お吸い物には林道のフキノトウを入れ、
春の香りを少し頂きました。

 虫が冬眠から目覚めているのか、
野鳥も帰ってきたようで賑やかに感じます。
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 しかし天気予報は下り坂。
寛いでいるうちに周りは霧に囲まれ、
森は幻想的な風景に変わっていました。

 春の兆しを五感で感じ、
十分堪能できたように思います。
雨が降り出す前に下山ですよ。
さあ、温泉だぁ!

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