◆農民の森
草原のような皿が峰を後に、
「鷲尾山」を目指せば、
クリなどの樹園地、山畑、
そしてハチクやモウソウチクの林など、
植生は再び山林へと変わり、
皿ヶ峰とは違った人との関わりを感じます。
実はこの周辺は近隣の農家が所有しており、
山畑の利用だけではなく、
かつては薪を伐り出したり、
落ち葉を掻いて燃料や肥料にしたり、
農民的な森林利用が行われてきました。
◆変わる森
しかし昨今の化学肥料や
化石燃料による農業の変化は、
森林との関わりを必要としなくなり、
又、宅地化などによる農家の減少により、
森林との関わりも薄くなり、
戦後市民の空腹をいやしてくれた芋畑も、
杉や檜の植林に変わるなど、
最近は大きな校舎なども建っています。
◆御留山
やがて最後の急登にかかり、
宇津野山から烏帽子山へと伸びる、
太平洋に並行した主稜線に至ります。
かつて土佐藩の台所の
薪をまかなった「御留山」は、
稜線を越え太平洋に面した南斜面に、
広大な雑木林としてその名残を残し、
シイの大木達が迎えてくれました。
宇津野山への縦走路の分岐に着けば、
鷲尾山(290m)山頂はすぐそこです。
頂きに近づくごとに視野が開けてきます。
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