猿板

遊山黒子衆SARUの記録

天狗の塚遊山 冬の花

花見

◆冬の風景
 森を抜け四国らしい笹原に出ると、
そこには冬が待っていました。
前日にガスが稜線に懸かり、
風が強く吹き付けたのでしょう。
嬉しい季節の逆戻り。
ツツジ達の細い枝には、
霧氷の花が満開でした。

◆お亀岩のコル
 この道は土佐の国と
阿波の国を結ぶ古の峠道で、
かつては生活のため人や物資の往来があり、
その人の関わりが
幾つかその名前に残っています。

 この峠の名の由来になった大岩「お亀岩」の名は、
この峠を越えようとしていた
妊婦であった祖谷の女「お亀」が、
この大岩の元で産気づき、岩陰で出産しましたが、
深山の為手当が出来ず。母子とも亡くなったという
身重でも山越えしなければならなかった、
健気な女の哀れな話に由来しています。

 そんな悲しい話を残すこの地も、
今では立派な避難小屋が建ち、
登山者の安全を守る場所になっています。

◆荷を下ろす
 峠を北に越え、
この近辺唯一のキャンプサイトに荷を下ろし、
テントを張ってお昼をとりました。

 しかしここには殆ど泊まる人は居ないのでしょう。
来る度に笹に食われて、
今では一張りが精一杯になっています。

◆峠へ
 荷物をテントに置いて、
空身で天狗塚にアタック。
霧氷を纏ったダケカンバの林を抜け、
数百メートル「ニク立の沢」に落ち込む
垂直の崖をたどるコースは迫力満点ですが
カモシカになったような気分になります(笑)

 さあ、目の前の峠を越えれば、
やっと天狗さまの塚に再会できます。

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