猿板

遊山黒子衆SARUの記録

遊山に至る経緯 丸山荘にて

kurokoshusaru2006-04-05

私が山に取り憑かれたのは、
二十歳を少々過ぎた頃でした。
現在のSARUのメンバー店長に、
美味しいビールを飲みに行きませんかと騙され(笑)
連れて行かれた剣山がそもそもの起こりで、
その感動が今でも続いているわけです。
 最初数年間はひたすら新しい頂きを求め、
いわゆるピークハンターで過ごしました。
年間山行日数は120日に及び、
登った山も200を越えていました。

そんながむしゃらに登り続ける
私の足を止めてくれたのが、
愛媛県笹ヶ峰にある山小屋丸山荘
当時70歳を越えて管理人をされていた、
伊藤さんご夫妻でした。
お二人の喜ぶ顔が見たいという、
ここで、初めて山に登る以外の目的が生まれました。
 登山口からの2時間の荷揚げや、草刈り、薪仕事、お客さんの賄いなど、
ライフラインが通っていない山小屋には、
沢山の仕事がありましたが、
当時は何をしても、苦しいと思ったことはありませんでした。

又ここでは、沢山の方との出会いも頂き、
山仕事の中で色んな自然の変化に目が向くようになったと思います。
 毎月毎月10年くらい通ったでしょうか、
そんな思い出も、伊藤さんご夫妻が後継者に小屋を譲られて、
山を下りたと事と共に、私も丸山荘を去ることにしました。
 その後の私の視線は、以前ほど頂きには向かず、
足下の自然の変化を追うようになっていきました。