猿板

遊山黒子衆SARUの記録

日本の正しい田舎の冬 其の三

kurokoshusaru2005-12-21

 四万川の集落の積雪は優に1mを超えていました。
実家への細い道は父親が除雪してくれていましたが、
ウチの馬鹿でかい車は道幅一杯です。
何とか庭に車を上げ一息ですが、
これほど雪があるとは思っていませんでした。
「この雪によう帰ってきた」
両親は笑顔で迎えてくれました。
 買い出した荷を下ろし、
一息付けて居たところ、今晩の鍋の白菜と大根が、
豪雪の中に埋まっているので掘り出して欲しい。
と母親からお願い。
 よっしまかいちょき!雪山ラッセルはお手の物。
これほど雪が降るとは思っていなかったようで、
収穫が出来なくなり困っていたようです。
畑までの距離100mの胸まである雪をかき分け、
スコップ片手のラッセル部隊による野菜収穫作戦が決行されました。
 「白菜がでたぞー!」「こっちにもあるぞぉー!」
各自意外と面白い雪の野菜掘りに歓喜の声を上げながら、
あっという間に、背負い籠一杯の野菜を収穫。
「うおっっっぉー!」勝利の雄叫びを上げるのは天狗と河童でした。

 さあその晩は、お待ちかねの雪見宴会の開催です。
温かい湯を頂戴した後、エビスで乾杯!
須崎の朝取れ魚と、みんなで掘った寒締め野菜の旨いこと。
ビール、焼酎の消費も進みます。
暖かい歓声が、深い雪に埋もれた藁葺き屋根に響いていました。