フスベヨリ谷と
カンガケ谷の出会いの手前
登山道から見えないところに
1961年の年号が刻まれた石碑がある。
◆しずかにねむれみうねの山に
剣山山系は過去幾度か遭難事故が発生し
この石碑は昭和36年正月吹雪に遭遇し
疲労凍死した高知商業高校登山部3名の慰霊碑。
◆道を離れる
沢登りの途中で見つけた
慰霊碑のある大岩の元でお昼にした。
50年前より装備も気象予報も発達したが
自然は何も変わりなく現状最強の装備でも
南国土佐にあっても冬山遭難は例外ではない。
私の思う登山最強の装備は
経験に裏付けられた「適切な状況判断」と
「怖くなったら引きえかす」勇気だろうと思う。
人は水だけで
どのくらい生きることが出来るか?
環境を整えれば半年から1年生きると言われる。
雪崩や落石などの外因による遭難を除く
遭難死の多くは「パニック」に起因すると考える。
行き先を明らかにしていれば
予期せぬ荒天に遭っても
道に迷っても水を確保し保温が出来る
ビバーグで耐えれば必ず救助はやってくる。
過信や不安に駆られた行動は
自らの死期を早めるだけではなく
他の人の大きな迷惑に繋がる。
私は正しい経験を積むことが
過信とパニックを防ぐと
30年山を歩いて確信している。
どの子にも涼しく風の吹く日かな 飯田龍太