「行くで! 行く行く!!」
そんな孫猿2匹を連れて
今年も四国最深部の盆踊りへ。
◆ご馳走とは
「一人前食べれるで!」
いつもの峠の食堂に立ち寄る
この飾り気のない料理が
私は何より美味しく感じる。
◆雲が立つ
ここ数日の四国山地は
不安定な天候が続き
この日も目指す奥物部の空に
積乱雲が発達し稲光が走る。
「だいぶん濁っちゅうね」
上流部は激しく降ったようだ。
◆分け入る
山間県道で明賀の集落を目指す。
初めてこの祭りを訪れたのは
20年ぐらい前になるだろうか。
薄暗く寂しい道の果てで盆踊り?
狐に摘ままれた様な不思議な感覚を
今でもはっきり覚えている。
「雨は止んだみたいやね」
◆帰るところ
提灯の導く奥の方から
軽快な音楽が聞こえてくる。
「れお行くでぇ!」
去年の記憶へ駆け出す2人。
「一年ぶりです」
今年も迎えてくれる里人がいる。
山川のある日濁りぬ葛の花 五十嵐播水