猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

寒戻る奥物部の森遊山 山桜

「これはウツギ?」 夏の花が蕾をつけ始めた。 そうだと思う。5月6日は立夏の入りだ。 ◆夏兆すこと この若葉が透かす明るさも林道に挿す木洩れ日も5月まで。また鬱蒼とした夏の森になる。 30年で随分茂ったなぁ。 ◆春紅葉へ 「この桜も終わったね」 高木だ…

寒戻る奥物部の森遊山 若葉

車から降りて観る空は雲一つない快晴だったが風は強く防風着を羽織った。 ◆静かなこと 静かな登り口の気温は寒の戻りを感じさせる10℃。風は5m位で体感は5℃かなぁ。 さあ 行こうか。 ◆分け入る 「2週間経ったもねぇ」 林道口の山桜は花筵敷いて私たちを迎え…

tochikoな山歩き 目覚める

植物が緑一色に輝きはじめる頃になりました。 かよう奥物部は山桜の花吹雪が舞い 桜葉の緑が濃くなっていました。 林道で出会う栃の木も越冬芽が開き 森のお母さんも一足先に目覚めていました。 これから森は緑の光に包まれる その前の僅かな一日に出会えま…

寒戻る奥物部の森遊山 射干

大陸から高気圧が張り出し北日本は冬型気圧配置だが西日本は広く晴れる所が多い。 日本は冬と春に分かれるな。 ◆空を観る その後は真冬並ではないが寒気が南下して寒の戻りに入る。それは偏西風の蛇行によって月末までもつれ込むかも。 ◆川を遡る 「風が強い…

清明の三辻山遊山 山椿

「ミヤマシキミは花盛り」 山地に自生するミカン科の常緑小低木。4~5月頃芳香のある白色の集合花を付け果実は晩秋に赤熟して美しいが有毒。 ◆深山に咲く 他の山でも時々見るがここは深山樒が多いなぁ。ブナやアカガシと相性がよいかよっぽど条件がいいんだ…

清明の三辻山遊山 山霧

「銀竜草も出てきた」 イチヤクソウ科の腐生植物。茎と鱗片状の葉は白色で半透明。夏に白色の花を茎頂に単生する。 ◆稜に乗る 急登を終えた近道は工石山から延びる主稜線に乗り笹床と共生する自然の森に入る。 銀竜草は調和の証かもな。 ◆赤良木園地 「やっ…

清明の三辻山遊山 山桜

「山桜えい感じやね」 私の好きな山桜の開花。その開花と同時に広げる若葉の淡い色合いに小雨は格別だった。 ◆杖塚に上がる 「土佐水木は過ぎたね」 自然休養林の広場に植えられた木々がそれぞれの花期を迎えていた。 ヤマナシは蕾を膨らませ土佐水木は迷い…

清明の三辻山遊山 野苺

「まだ咲いちゅうね」 30分ぐらい眠ったか。激しかった雨は小雨になった。 えい感じになったな。 ◆分け入る 傘で足るなら山に入る。森の喜びを肌で感じられるからレインウエアは着ないで入る。 誰もいるわけないわな。 登り口にいるヒメシャラ。芽吹きが纏う…

tochikoな山歩き 虹始現

4月15日「にじはじめてあらわる」春の雨が多くなり大気がうるおい初めて空に虹がかかるころ。 空の虹には会えませんでしたが雨を纏った芽生えは虹のようでした。 花を追うわけでもない雨の道に向かうのは ありのままのかよう道が見たいから 少々の雨なら装備…

清明の三辻山遊山 葉桜

低気圧が四国沖を通過し南側は湿った空気が流れ込み強い雨雲は四国沖を通過するため午前中には雨が弱まるだろう。 ◆空を観る 低気圧が東海上に抜けた後はこの時期としてはかなり強い寒気が再び日本に流れ込むため農作物の遅霜など被害が心配だ。 高知は朝か…

清明に入る奥物部の歩禅 橡の実

「ヤゴがおるっ!!」 昨晩お米を焚いた飯盒を沢に洗いに行ったtochikoが叫ぶ。 有り難いことや。 ◆命のこと 一昔前騒がれた「富栄養化」はいま人の話題に上がることもない。それは年間八千億トン日本に降る膨大な雨を知らない人の思想だから。 「米のとぎ汁…

清明に入る奥物部の歩禅 春の月

「ヌル谷が 流れゆうで」 いつも伏流している渓の水。春の嵐も有り難いものだなぁ。 ◆森の中のもう一つの森 この森の平坦地はヌル谷が永い年月をかけて土砂を運び堆積して出来た。四国でこれの規模は他にない。 「バイケイソウも元気やね」 植物は皆雨が嬉し…

清明に入る奥物部の歩禅 春の川

東海に抜けた低気圧の発達で北から流れる込む雲の動きは速く時折雲の切れ間から青空が覗くが日本の高山は荒れているだろうな。 ◆雲を観る 「雪止んだね」 太平洋の暖気が押し始める春の天気はこの様なものだろう。 寒気押す秋より怖いかもな。 ◆渓へ下る 渓…

清明に入る奥物部の歩禅 名残雪

標高約1000mの登り口から見上げた空には山を越えた雲が足早に南に向かって流れていた。 ◆登り口のこと 「誰もいませんね」 登り口の気温は7℃であるが吹き下ろす風があり体感は5度以下。 寒の戻りですからねぇ。 「稜線はどうやろう」 風は強そうだし不安定だ…

tochikoな山歩き 居待月

翌朝は小鳥の囀りで目覚めました。 西の空を見ると月が山の稜線の上に明るく輝きとても穏やかな朝でした。 前の日この場所に至る道では雪が舞い 時々猫バスが走る冷たい夜だったのに 炎を囲み夜更かしをした月の出の遅い夜でした。 寒さと暗い夜と小鳥の囀り…

清明に入る奥物部の歩禅 花通草

低気圧や前線は東海上へ抜け北日本には別の低気圧が通過する。内陸山沿いでは雪の降る可能性も。関東から西は晴れる所が多い。 ◆空を観る 翌日高気圧が張り出してくるため日本は西高東低の冬型気圧配置になるが西日本から関東は晴れる所が多くなる。 いい感…

晩春に入る加持ヶ峰遊山 春の光

古の修験場真名井の滝の左岸の岩に架かる鎖場を登る。ここからは上は修験場はなく真の聖地であったのではないか。 ◆真名井の滝頭 真名井の滝頭にはこの山で好きなもう一つの滝釜があり今日の箱庭は冬枯た佇まいを見せてくれた。 山道は真名井の滝頭から最後…

晩春に入る加持ヶ峰遊山 春の水

歴史を1300年溯る定福寺。その奥ノ院は佐賀山谷川の支流湧き出す深い処にある。 ◆深山の寺 いつも軒下を借りて一休みする奥ノ院の宿坊だった「遍照院」はユースホステルとしても賑わった。 ◆祈りの域へ 一休みした後石段を登りはじめた。かつて梶が森は「加…

晩春に入る加持ヶ峰遊山 一輪草

深山の滝を造った大岩の左岸の急登を山道は登って滝頭から上流の自然林に入る。 ◆滝頭に上がる 梶が森にはこのような大岩が稜線近くまであるのが独立して聳えた理由なんだろう。 龍王の滝の頭には大岩が堰き止め出来た釜が四季折々の風景を見せてくれる。 ま…

晩春に入る加持ヶ峰遊山 黒文字

「これから始まるね」 見上げる頂上付近の森はまだ冬枯れの風景だった。 空気も澄んできた。 ◆登り口 登り口の気温は8℃は風が無くても汗は掻かないろうしお色直しは要らないだろう。 ◆植林 梶が森頂への山道は杉檜の人工林から始まる。 「芽吹きたてやね」 …

tochikoな山歩き 夏鳥

どこかで聞いた鳴き声? 背の高い木の上を見るとサンショウクイでした。 頭の形も飛ぶ時の羽根の白い腺も昨年奥物部で出会った渡り鳥でした。 陽射しが暖かくなり葉が茂ると巣作りでしょうか この道はいつも斜陽が木々や岩のシルエットを際立たせて見せてく…

晩春に入る加持ヶ峰遊山 雲の海

日本は広く高気圧に覆われ晴れるところが多くなるが高気圧の中心は北に偏る。 ◆空を観る南海上には低気圧や前線があり西日本や東日本の太平洋側では雲の広がる処がありそうだな。 因みに今後の寒の戻りだがこの二極化した偏西風を観ればまだ要注意だろうと思…

雨止み間の三辻山遊山 落椿

「さっきまで 降りよったみたい」 峠は雲を集めるから雨上がりも遅かったかもね。 ◆同じ道 「この時期は 1週間十日で風景が変わる」 偏西風による三寒四温と南岸低気圧が生む雨と風だろうな。 「バイケイソウ出たね」 ここだけにポツンと生えている。 梅に似…

雨止み間の三辻山遊山 雨雫

「あ~ 気持ちいい風」 北の山麓から風が吹き上がる。時々枝に残った雨粒も落ちてくるがそれもこの日の一期一会だろう。 ◆深山の山桜 山道は山頂直下にある昭和の忘れられた園地に至る。 山頂は風が強い雲の中やきえいろう。 「この山桜は4月やね」 tochiko…

雨止み間の三辻山遊山 沢蟹

「トサミズキが咲いた」 土佐のスプリング・エフェメラル。陽の光を纏うような花を咲かせて今年も変わらず私達を迎えてくれた。 ◆杖塚のこと 「まだ雲が早いね」 自然休養林南斜面に整備され森が開ける杖塚で空を観ている。 でも雲底が高いから下山までは持…

雨止み間の三辻山遊山 若葉

「雲が早いね」 主稜線を越える雲は足早に南に流れていた。 変化の風だろうな。 ◆分け入る 今日も静かな登り口は気温9℃と平年並みだろう。風を考えると体感は5℃で発汗も少なくいい感じだな。 ここにもフサザクラ。 花は控えめで目立たないけどこれも春を告げ…