猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

tochikoな山歩き 桜雨

ある雨の土曜日峠道で見つけた桜に会いに出かけました。 山道をくねくね走る道沿いに咲く桜は 集落に寄り添い遠い対岸を眺めるように枝を伸ばしています。 寒い中でも桜の季節がやってきた! 雨粒が見える遠くの山が霞んでる 水滴の重さで俯く花弁にも命の強…

雨には雨の遊山 光降る

「桜の多い国だなぁ」 毎年この時期の遊山の道中思うこと。 さくら さくら 野山も里も 見わたす限り かすみか雲か 朝日ににおう さくらさくら 花ざかり 「桜」の語源はいくつかあるが動詞「咲く」に接尾語「ら」が付き複数形「咲くら」との説が私は馴染む。 …

春分に入る奥物部の遊山 落葉焚き

やっぱり今回もそうだった。この森に幾つかある「まほら」はどこも深い眠りを体験出来る。 昨夜もぐっすり眠れたよ。 ◆熾火のこと 早起きしたY'sは火を熾していた。灰の下の熾火は一晩位は生きていて小枝と枯葉を乗せて風を送ればすぐに煙が立ち始め炎が上が…

春分に入る奥物部の遊山 けふの月

さあ 着いたな。 カヤハゲの中腹南斜面谷と谷が迫った清水出流処に私達が通うまほらの一つがある。 ◆まほらに入る「まほろば」「まほら」はマホ(真秀)に漠然と場所を示す意の接尾語ラの付いたもの。すぐれたよい所を示す万葉ことば。 そこに至る山道は急峻…

春分に入る奥物部の遊山 枯れた山

河原の膝休めののち杣人が架けた橋を渡りカヤハゲの懐に入る。 ◆橋を渡るこの橋のすぐ下流には落差約10mの百神滝がありいつもの年なら雪解け水がゴウゴウと流れ落ちる。 さあ 登るぞ。 ◆カヤハゲに入る 長笹谷が深く刻んだ急峻な斜面は土壌を失いザレた山道…

春分に入る奥物部の遊山 名残の雪

今日も登り口は私達だけ。気温6度はこの時期では少し低く寒気の南下を感じるものだった。 「防寒着沢山持って来たんです!」 ◆荷を背負う 登り始めに現れる西熊山の上空には暖気の低層雲の上に寒気が姿を現す高層雲が見える。 今晩は冷えるかもな。 今日は準…

春分に入る奥物部の遊山 三椏の花

低気圧が発達しながら三陸沖に進み北日本の太平洋側は暴風雪をもたらせ沿岸は強風や高波にも注意が必要だ。 ◆空を観る 翌日は低気圧が東に離れていき北・東日本を中心に冬型の気圧配置だが四国は高気圧が張り出し一旦安定する。 急に暖かくなった今年の春は…

仲春の白髪山遊山 雪の中

「モナカで心が折れた」 標高約1700m山頂で提案した。 「実は私もそうなんです!」 Y'sが即答で乗ってきた。 ◆雪のことそれは今日の雪質を見てこの先北斜面と雪を想像すると経験が少ないKさんにとってどうかと考えた結果だった。 Y's!! やけに嬉しそうやか…

仲春の白髪山遊山 春の山

「この山は 晴れたら絶景なんよ」 四国山地の南端と言える白髪山。眼下に太平洋へ続く山並が広がる。 ◆森を抜ける この日は山雲に覆われて眺望を得ることは出来ないようだが上空の雲は薄く流れに濃淡がある様でときどき薄日が届き風景が輝いた。 ◆急斜面のこ…

仲春の白髪山遊山 山残雪

山道は白髪山が南東に張る「東尾根」に乗り急登となりここまで霧の中静かだった森に山麓から冷たい風が吹き上がる。 ◆尾根を登る ゆっくり登るがでぇ! 尾根に乗れば一気に標高を稼ぐ。山麓から吹き上がる風は雪も運び上げ残雪も増えるだろうから慎重を要す…

仲春の白髪山遊山 霧の道

奥物部の森を一望する中内台に上がって山を観る。教科書通り層になった雲。 予定どおり白髪でいいな。 ◆車を降りる 白髪山登り口は峰越え林道の最高地点標高1400mにあるため雪が多い年は車の乗付けが困難だが今年は小雪で今まで容易に上がれた。 「また誰も…

仲春の白髪山遊山 梅の花

日本海で前線を伴った低気圧が東進し前線に向かって流れ込む湿った空気の影響で天気は下り坂となり四国は曇りから雨に変わる。 ◆空を観る 寒気を居座らせた偏西風が北上し日本は3月に入って三寒四温に入った。ただ暖かくなるのが激しいように思われ特に北日…

仲春に入る三ツ辻遊山 鳥の羽

土壌を失った奥物部と違う靴を通して感じる土の感触がいい。林床の命もしっかり根を張って山高きが故貴からずなんだろう。 ◆鳥笛 tochikoは鳥笛を鳴らす。三辻山北斜面を通る山道は稜線に近づき陽が差しはじめふたたび鳥の囀りに囲まれた。 ◆止まり木 この原…

仲春に入る三ツ辻遊山 雪残る

薄暗い作業道を登る近道は三辻山南斜面を上がる登山道に入り程なく工石山から続く稜線に上がる。 ◆赤良木園地 山道は山頂直下の窪地にある忘れ去られた昭和の園地に降りる。ここには大きなヤマザクラがあり毎年の開花がtochikoの楽しみだ。 ◆三辻山(標高110…

仲春に入る三ツ辻遊山 山霞み

「残雪やぁ」 ここも雪が積もったがや。高知市内に雪が降らずとも1000mにはしっかり降っていた。 ◆腰を下ろす 「賑やかになったね」 稜線の南斜面にある杖塚は陽当たり良く北風を防いでくれる。 寒波が解るんだろうな。 「土佐水木の花芽が開きゆう」 マンサ…

仲春に入る三ツ辻遊山 木の芽

家から1時間足らずの登り口気温℃6で今日も駐車は私達だけ。この時期としては平年並みだろうな。 ◆分け入る 「木洩れ日が変わった」 山道は旧鉱山の林道から始まる。気象の世界では3月から春に入り陽も高くなり陽射しも強くなる。 ◆人工林 林道から工石山登山…

tochikoな山歩き 春の匂い

今まで眠っていた土の匂いが風に乗って香ってくるようになりました。 今年はとにかく寒くて雨が少ないなぁ。。 雪まだ残るいつもの道も小雨のせいか芽吹きが遅れているように感じました。 それでも歩けば吹く風に春だけの土の匂いが乗ってくる 立ち止まり小…

仲春に入る三ツ辻遊山 菜の花

日本海から接近してくる低気圧や前線の影響で北日本や北陸を中心に強い雨や雪が降るが四国は高気圧圏内で晴れるだろう。 ◆空を観るこの後北極でまとまった寒気がおよそ10日かけて日本付近に達し厳しい寒の戻りをもたらすことに。 上空1500m付近 上空5000m付…

淡雪の加持ヶ峰遊山 まほら

真名井の大岩が堰き止めた土砂が成した河原に降りた。そこにはうすく凍った水面を透かし地下から湧いた水が黒く流れていた。 ◆源流の雪その流れの音まで聞こえるまるで夢の中にいるような静かな時まで流れていた。 地下深くから湧き出す暖かい水が水面にモノ…

淡雪の加持ヶ峰遊山 寒の水

この山は幾つかコースがありこの日私達が見たかったのは雪の谷。そして山の経験が少ないKさんの装備と経験も合わせて道を選んだ。 ◆渓へ下る 山道は渓に向かい一旦下る。この急斜面の横切りは雪が吹溜り雪の質と量によっては足を取られまた雪崩の可能性もあ…

淡雪の加持ヶ峰遊山 雪の鳥

山道は落差20mの滝を成す大岩の右岸を上がった滝頭にある渓水を塞き止めた河原にあがる。 ◆滝頭の上 「この上から 風景が変わるんよ」 Y'sが友人に示した風景は滝頭の上にある池の様な滝釜。 「わぁ~ 綺麗!!」 滝の上は幾つかの段が続き雪を纏う岩と冬枯…

淡雪の加持ヶ峰遊山 滝凍る

「けっこう乗っちゅうね」 登り口から見上げる山頂部。 そうやね稜線は30cmは乗ったかな。 ◆分け入る 標高約900mの駐車場の気温-2℃は平年並みだろう。 「高知は静かでいいですね」 この時車は私達だけだった。 ◆人工林 山道は杉檜の植林から始まる。地面は…

tochikoな山歩き 下りる

梶ヶ森の登りは巨大な岩に沿った急峻な道 沢沿いのいつもは水の流れる音とともに歩く道が 今日は氷の下であまり聞こえない 岩の上から紅葉谷に下りるここだけにはいつも静かな景色がある 湿り気の多い雪がゆっくりと撓んできている 空から落ちたままの雪景色…

淡雪の加持ヶ峰遊山 ゆく道

北日本を中心に強い冬型気圧配置。日本海側を中心に雪が降りやすいが西日本は段々と冬型気圧配置がゆるみ四国山地に雪が降るなら午前中だろう。 ◆空を観る昨年末から続いた寒波はこれで終わり金曜日以降は寒気が北に押し上げられ春めいた日和がしばらく続き…

雨水に入る奥物部遊山 鎮

雪の危険を避け尾根筋を追う冬道。彼女は無雪期に何度かこの道を登ってこの日初めて道の見定めをしてもらった。 ◆ルート ファインディング(route finding) 登山での道筋をさぐること。 tochikoが後から彼女を見守り登る。 「そこから左に折れて!」 その日…