猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夏至の三辻山遊山 起

台風と共に梅雨前線が北上し特に西日本の太平洋側を中心に湿った空気の影響を受けやすくなる。 ◆空観ること今週末も大陸の強い寒気が残り四国も5000m-6℃の寒気が居座って次第に天気は不安定になるだろうが本降りの雨にはならないだろう。 「田圃が青々として…

夏至に入る加持の森 源の道

かつての修験場真名井の滝に上がり沢の核心へ登り始める。 ◆滝を登る 真名井の滝の巻きには鎖場あり今は丈夫な階段が架けられている。その前は大岩を攀じ登ったのだろうか。 真名井の滝頭に上がるとこの滝が二段であることが解りこれも私の好きな風景の一つ…

夏至に入る加持の森 雲の道

「まだ咲くねぇ」 深山の躑躅はまだ多く蕾を残しこの株は花の盛りを迎えるようだ。 個体差がある方が有利だろうね。 ◆定福寺奥の院 奥の院には宿坊がありいつもザックを下ろし休憩する。ここは第2次登山ブームの頃にユースホステルとしても賑わった。 標高11…

夏至に入る加持の森 樹の道

滝鑑賞のポイントの一つに滝頭の美しさを楽しむ方も多く私も大岩を長い年月かけて溶かし落ちるこの滝頭が好きだ。 ◆水の森 山道は龍王の滝の滝頭に上がり吉野川支流「佐賀山谷川」に添い大木が並ぶ深い緑に分け入る。 ◆原生の森 植物の幹は上に延びて根は下…

夏至に入る加持の森 渓の道

「雨が止んだ」 標高920m登り口は気温18℃。この時期としては涼しいほうで低気圧が抜ければ温かくなるだろう。 ◆分け入る 登り始めは杉の人工林。ここは林道近くにあるため比較的手入れがされていて林床に中低木が根を張っている。 野生と共存するためにはこ…

tochikoな山歩き 雨上がる

登山口に近づくごとに雨が止んできました。 街にいると雨は不便なものだと感じる時もありますが 山に入るとそうではなく命の源である雨を全てが喜んでいるように見え 自分も楽しく感じるようになりました。 水平に広げたヤマボウシの萼片から たまに滴が落ち…

夏至に入る加持の森 ゆく道

梅雨前線が本州の南に停滞。日本海に発生した低気圧が東進し四国にも湿った空気を引き込む。 回復は昼前後かなぁ。 ◆日和見る 今後も偏西風の蛇行による寒気の南下と暖湿気の流入によって大気の不安定な状態は続くようで天気チェックを怠ると失敗するかもな…

梅雨空の三辻山遊山 鎮

シロモジが雨露を纏う。 クスノキ科の落葉低木。木全体に芳香があり葉は浅く3裂。種子および葉から灯油を採る。 ◆南に回る 「道が狭くなったね」 低木の葉が茂ったきね。雨降りはアブやブヨもいないから夏は雨の遊山もえいがねぇ(笑) ◆花むしろ 「これ凄い…

梅雨空の三辻山遊山 結

「頂上行かんでねぇ」 行っても真っ白だろう。今日の主役は梅雨雲の中やろうね。 ◆古の道 標高約1100mの三辻山は日本の山毛欅の南限の一つで特に樫山峠までの北斜面には原生の森が保たれている。 ◆石積がある道 四国山地の南に位置する土佐は雨に恵まれた山…

梅雨空の三辻山遊山 転

「花は終わったね」 自然には同じ木が3本並ばない。人が考える環境には多様性がないから自然を理解するには時間がいるのだろう。 ◆峠に下る 人が整備した杖塚を下り赤良木峠に向かう道に入る。峠は風が集まりぶつかるため再び雨が降りはじめた。 ◆峠道 海岸…

梅雨空の三辻山遊山 承

「空木も終わりやね」 幹が中空なための名。初夏に球形の朔花を結ぶユキノシタ科の落葉低木。 ◆雨を見る 「誰も・・ 居るわけないか」 雨もよしとすれば静かな山行が楽しめる。 私達は雨の日は天候のほか通い慣れた山の地形と風を見て「傘差し」て歩ける山を…

tochikoな山歩き 霧の中の影

濃い緑に包まれました。見上げると木々の葉がシルエットになって浮かび上がり 進む道は僅かに開いた木々の間から白く光が射しているようでした。 通う道ではお気に入りの場所が見つかるもの いつも気に入っている小さな道周りの明るさは森が若いから 北斜面…

梅雨空の三辻山遊山 起

梅雨前線が北上し西日本を中心に梅雨空が戻る。前線は弱まりながら東進し四国は強く降る様子はない。 ◆空を観る翌日も梅雨前線が停滞し西日本は梅雨空が続く。 どっちも同じだな。 ◆川を遡る そんな雨の週末はtochikoと通う三辻山を訪れた。雲から黒い尻尾が…

芒種の四国カルスト遊山 水を頂く

引き返して昼にしよう。 今回の遊山のもう一つの楽しみは石灰層から湧き出す超軟水と言われるケヤキ平の「白亜の水」を食すること。 ◆口福時 日本の水の殆どは硬度が低い金属イオン含有量が少ない軟水で食品素材の味を邪魔しない性質もある。 私は水の味の違…

芒種の四国カルスト遊山 空に咲く

「アサガラの落花やね」 エゴノキ科の落葉高木。西日本の山地に自生し春の末多数の白花を垂下する。アサギ。 ◆花むしろ 「蟻が引いていきゆう!」 奥物部の森でヒメネズミも食べているのを見かけた。 きっと甘いんだろうな。 ◆森のまほら 「ここからはケヤキ…

芒種の四国カルスト遊山 樹々の香

天狗ノ森を後にして私達がこの森のまほらと思う姫鶴平のケヤキ平へ向かった。 もう姫蛍が舞いゆうろうかね。 ◆時を溯る 平地を持たない地域先人の炭焼きやなだらかな場所を切り拓いた焼畑農業により度々発生した野火がカルスト台地の基を造りその火を免れた…

芒種の四国カルスト遊山 天狗ノ森

「これアワフキムシ」 カメムシ目アワフキムシ科の昆虫の総称。幼虫は草木の枝や葉に腹端から出す泡で唾液様の巣の中で植物の汁を吸い成長する。 ◆遊山日和 「たまには頂上踏もうかね」 今日の核心に入る前に四国カルスト最高地点となる標高1485m天狗ノ森を…

tochikoな山歩き 大樹

「太い木の下は なんちゃぁ生えんぞ」 お世話になった奥物部の杣人が言っていた 足元には秋に落とした実が冬を越し根を張り一年生に育っていました。 可愛いけれど木には育たない毎年沢山の一年生を見送ってきたもね。 人間の感情なんて関係ないところで森は…

芒種の四国カルスト遊山 梅雨晴間

前線に取り込まれた台風が沖を通過する四国は雲が広がりやすい。なるべく北に上がれば雨は避けられそう。 ◆空を観る この日は四国の入梅平均日で寒気を伴った偏西風の蛇行が続き今まで梅雨らしさは感じられなかった。やはり今年の入梅は走り梅雨だったと思う…

忘れられた道の遊山 かえり道

「景色いいですね」 ちょうどお昼だな。ここで昼飯にしょうや。 ◆口福時 今日も料理長はY'sさん。昭和の私が大好きな袋麺を彼女らしくアレンジしてくれた。 頂きます。 ◆想い切る さて 下りてみるか。 自然は完全に「中立」で人間のためにあるものでなく時に…

忘れられた道の遊山 道を探す

かつてこの古い峠道は高木と笹床の中を葛籠折れに標高を上げる美しい道だった。 ◆道を失う 「全く道が見えんね」 南北に延びる稜線の西にある山麓はまともに雲を受けるため雨量が多く樹々も育つが土砂も流れやすい。 ◆土を失う 「一般には無理やね」 tochiko…

忘れられた道の遊山 谷を溯る

姿の見えない鳥の囀りが響き緑色のシャワーが降り注ぐ林道はその終点に近づいてきた。 ◆森を見る 白髪山とカヤハゲを分ける長笹谷が削り落とした渓は深く対岸にカヤハゲの森が迫る。 芽吹きは稜線に達した。 「まだ高木は何ともないけどね」 ◆過去を見る 南…

忘れられた道の遊山 木陰の道

「葉の色が随分濃くなったね」 登り口の気温は17度。いつもの林道の影も色を増し吹き抜ける風も気持ちよかった。 ◆分け入る 「ルリが鳴きゆうで」 はぐれ雲も穏やかに流れ今日は絶好の登山日和となり稜線は賑やかになるだろうな。 ◆花のこと 「二人静初めて…

tochikoな山歩き 辿る

古い峠道は大きな岩屋から始まる 山師か釣り人か?残された唐津の焼き物や鍋が落ち葉に埋もれていました。 ここから先は記憶を頼りに辿る道 ここがよく休憩していた場所 思い出=2007年6月= 冬に見たときの乾いた倒木を緑が包んでいるように見えました。 所…

忘れられた道の遊山 初夏の山

上空に寒気を伴った低気圧が北日本に近づく。北や東日本日本海側を中心に雨が降り四国は晴れるがやや不安定なか。 ◆空を見る この時期として珍しい寒気が下る。日本には昔から「走り梅雨」がある。最近先人の美しい言葉「夕立」を「ゲリラ豪雨」と呼ぶなどど…

河童の日々遊山 初夏から盛夏へ

今年も高知の夏に 活躍してくれそうなアイテムがそろいます。 ◆山に行かない休日 楽しそうなDMに誘われてtochikoと友人のギャラリーを訪れた。 「あら! 今日は天気がえいき 山に行っちゅうかと思いよったぁ」 ◆ババグーリさんの提案 さらりとcottonlinenの…